■手続き
事業年度の変更は、変更しようとする決算期末(例では12月末)までに、株主総会(臨時)を開催し「定款変更」の承認を受ける必要があります。(特別決議)
その後、管轄税務署・都道府県税事務所・市町村役場へ株主総会議事録(臨時)の写しを添付し『異動届出書』を提出することとなります。
■変更事業年度の注意点
変更により、その事業年度は1年未満決算となりますので、税務上以下の点に注意する必要があります。
毎年税制改正はあるものですが、年度によっては「増税」となる年(項目)と「減税」となる年(項目)と様々です。
改正では、「4月1日以降開始事業年度より適用開始」というパターンが多く、「減税項目」であれば3月決算法人が1番早く適用開始となり、「増税項目」であれば1番遅く適用開始される2月決算法人が有利ということになります。
大きな税制改正がある年は十分に注意して動向に注目すると良いでしょう。
決算月と聞くと3月を思いうかべられる方がいますが、上記にもあります様に定款により自由に決めることが出来ます。
そこで決算月の基本的な考え方は以下の通りです。
①資金繰りの視点
会社は、決算月日から2か月以内に法人税・地方税・消費税等を納税する必要があります。
これら決算に伴う納税は、会社の資金を圧迫することもありますので、資金繰りの影響を第一に考えるならば、『決算による納税時期』と『資金が少なくなる時期』が重ならないようにするべきです。
資金が少なくなりがちな時期は、夏季・冬季賞与支給時期や7、1月の源泉納税時期(納期の特例適用時)、また季節変動の影響を受けやすい業種等の場合はそれらに加えて売上が少ない時期は避けた方が良いでしょう。
②経営的視点
会社の繁忙期は通常月と比べ利益が予想しにくいため、繁忙期を決算期からずらしておくべきです。
決算までの時間的余裕があれば、仮に繁忙期に予想以上に利益が出たとしても決算までに節税策を考えることができ、逆に、予想よりも業績が落ち込んだとしても立て直す時間が確保できているので安心です。
これとは反対に、敢えて『繁忙期=決算期』とすることで全体的に業績達成させるという考え方もあります。